ラガーとエールの違いって?美味しいビールとスタイルについて、ビアバーで聞いてきた

働く男たちにとって、至極の飲み物、ビール
仕事終わりに飲むビールを楽しみに、日々の業務を頑張れるという方も多いのではないでしょうか。

しかし、一口にビールと言ってもその種類は無限に存在し、味わいや香りもさまざま。

「ビールの種類に詳しくなりたい!」
「自分好みのビールに出会いたい!」

という方も多いことでしょう。

そこで今回は、30カ国以上の国々から取り寄せた100種類以上のビールを提供する渋谷のビアバー、CATARATAS(カタラタス)に、ビールのスタイルについてお聞きしました。

大まかに分けると、ビールのスタイルは3つだけ!?

厳密に言うと無限に種類があると言っても過言ではないビールですが、そのスタイルを大きく分けると実はたったの3種類。

1.ラガー
2.エール
3.その他

です。

ラガーとエールはそれぞれ酵母の名前で、ラガーは日本語で言うと下面発酵ビール
低い温度で発酵しており、炭酸が強めです。世界の9割のビールはラガービールと言われており、日本で作られているビールもほとんどがラガースタイルのビールです。

反対に、上面発酵ビールであるエールは、高い温度で発酵されています。
まったりとした柔らかい味わいが特徴の落ち着いたビールで、海外では昼間からゆったりと飲む人も多いのだとか。

ラガーに比べて割合的に少ないエールですが、色々な副原料に合わせやすいため、奥深さがあるものやフルーティな香りのものなど、様々な味わいのビールがあります。

日本人に親しみのある、のどごしを楽しむ飲み方をするのがラガー飲む前の香りを楽しんだり、舌の上で転がしてゆっくり飲むのがエールです。

では、実際にラガー・エール・その他の酵母ではどんなスタイルのどんなビールが作られているのでしょうか。さらに細かくお話をお聞きしました。

日本人にとって、馴染み深い味!ラガー

まずはラガーの中でも代表的な3つのスタイルをご紹介します。

1.日本のサラリーマンがいつも飲んでいる味!?「ピルスナー」

初めに紹介するのは、ラガービールの中で最もメジャーなスタイルである、ピルスナー

日本でスーパーやコンビニに売っている缶ビールのほとんどがラガービールであり、大手ビールメーカーの看板商品となっているビールはほぼピルスナーとのこと。日本人にとって定番と言えるビールです。

そんなピルスナービールの始まりは、チェコが作ったピルスナーウルケル。ウルケルとは「元祖」という意味で、文字通りピルスナースタイルの元祖と言われいるビールです。(ピルスナーは、チェコの地名ピルゼンから命名されています。)

まだ黒ビールがメジャーだった時代に、初めて作られた金色のビールで、当時の人々はその色に驚きを隠せなかったのだとか。
モルトの味わいがしっかりとしており、日本人の舌に馴染みのあるビールです。

2.ラガースタイルの黒ビール、「シュヴァルツ」

次に紹介するのは、大麦を熱風でローストして作るラガー、ドイツ生まれのシュヴァルツというスタイル。
香ばしい麦の香りが特徴的で、煮詰めた麦茶のような味わいです。

ベースが大麦であるため、黒ビールながらゴクゴクと飲むことができ、後味もスッキリ。

シュヴァルツスタイルのビールとして代表的なのは、ドイツのケストリッツアーシュヴァルツビア
その飲みやすさから、ドイツで最も飲まれている黒ビールです。

3.有名なのはバドワイザー!「アメリカン・ラガー」

最後に紹介するラガーのスタイルは、アメリカン・ラガー
コンスターチお米を使ってまろやかな味わいに仕上げているものもあり、ライトで飲みやすいのが特徴です。

有名なアメリカン・ラガースタイルのビールには、バドワイザーなどがあります。

ビール好きなら詳しくなりたい、様々な味わいのエール

次に紹介するのは、多種多様な味わいを楽しむことができるエール。

1.時間をかけて口の中で泡を楽しむ!「イングリッシュ・ペールエール」

「淡い」という意味を持つペール。
イングリッシュ・ペールエールのビールは、べっこう飴のようなカラーが一般的です。

昔のイギリスで最も飲まれていたスタイルで、非常にきめ細かく、クリーミーな泡が特徴。泡が小さいため、口の中に残りやすく、イギリスのパブでは1時間ほどかけてゆっくり飲む人が多いのだとか。

代表的なイングリッシュ・ペールエールのビールはバス・ペールエールなど。普段、ラガービールののどごしを楽しんでいるという方は、イングリッシュ・ペールエールの泡を舌の上で転がしてみると、いつもと違ったビールの楽しみ方ができるでしょう。

2.ビール好きなら知っておきたい、「インディアン・ペールエール(IPA)」

ビール好きなら、絶対に知っておくべきスタイルと言っても過言ではない、インディアン・ペールエール(IPA)
その昔、イギリスがインドにビールを輸出する際に、途中で腐らないように防腐効果のあるホップをたくさん入れ、モルト(甘み)とアルコールを強めにしたのが始まりです。

ホップをたくさん入れたことにより、香りや苦味が強く、味に深みのあるスタイルとなりました。

おすすめのIPAは、上の画像(左)のミッケラー19(ナインティーン)IPAと(右)のエールスミスIPA
特に、エールスミスIPAは世界中のビール評論家たちが集まるRateBeerというWebサイトで、100点満点を獲得したことあるほど評価の高いビールです。90点ですらなかなか超えることがない評価サイトなので、よほどの美味しさなのでしょう。

3.IPAよりもさらに苦い!?「アメリカンIPA」

どんな文化も独自のスタイルに上手にアレンジするアメリカ人。そんな彼らの舌に合わせ、通常のIPAよりもさらにホップを強くし、苦味を追求したのがアメリカンIPAです。

グレープフルーツを絞ったような、柑橘系のホップの苦みが特徴。代表的なアメリカンIPAには、スコットランドのパンクIPAや、国産だとインドの青鬼などが挙げられます。

4.黒ビールの定番、「スタウト」

黒ビールとして有名なスタウト。アイルランド発祥で、麦芽が黒くなるまでローストした大麦を使用しています。

そのため、同じく大麦をローストして作るシュヴァルツと見た目が似ていますが、酵母が違うため味わいも異なります。トロッとした舌触りと、非常にクリーミーな泡が特徴。

一番有名なスタウトスタイルのビールは、ギネス・スタウトです。

「ギネス以外にスタウトスタイルのビールはないの?」という方におすすめなのが、上の画像(左)のエールスミススピードウェイスタウトと(右)のライオンスタウト
スピードウェイスタウトにはコーヒーも入っているので、黒ビール好きはもちろん、コーヒ好きにもおすすめです。

5.ビールとは思えない香りや風味!「バーレーワイン」

アルコール度数が10%前後と、ビールとしてはかなり高いバーレーワイン。そのアルコール度数の高さから、冬に飲まれることが多く、日本でも冬になると扱う店が増える傾向があります。

バーレーとは大麦という意味で、「麦で作るワイン」であるバーレワインは、ワインのような芳醇さやフルーティな香りを楽しむことができます。

上記の画像の3種類は、デンマークのミッケラーアメリカのスリーフロイドコラボレーションビールで、それぞれ副原料が違うバーレーワイン。
左から、大麦以外に小麦お米コーンを使用して作られています。

銘柄によって楽しめる風味や香りが異なるので、自分好みのバレーワインを見つけてみましょう。

6.「ベルジャンエール」

ベルジャン酵母と言われる酵母を使ったベルジャンエール

ベルジャンエールの中にも複数のスタイルがあり、ヒューガルデン・ホワイトが有名なベルジャン・ホワイトエールやアルコール度数が高いベルジャン・ストロングエールなど様々です。

そんなベルジャンエールですが、代表的なのは修道院ビールと言われいてるトラピストビール。元々は修道院で修道士が醸造していたためこのような名前がつきましたが、現在では他の醸造所にも製造を委託しており、本物の修道士が作っているビールのみアビィという称号が与えられています。

複雑な味わいが特徴で、レーズンやドライフルーツのような味わいや、フルーツの甘さを兼ね備えています。
舌の上で風味や香りを楽しみ飲み込んだ後は、喉の奥の方に雑味が残るのだそう。“飲む”というシンプルな行為の中で様々な楽しみ方ができるので、最も味わいの深いビールと言っても過言ではないでしょう。

おすすめのトラピストビールは、上の画像の4種類。(左からロシュフォール8、ロシュホール10、シメイブルー、シメイホワイト)

それぞれ、世界中で11カ所しかないトラピスト修道院で作られています。

7.小麦の国ドイツで生まれた白ビール、「ヴァイツェン」

ドイツ生まれのヴァイツェン。主原料に小麦を使っている白ビールです。

濃いめの白ビールでバナナのような柔らかい味わいを楽しむことができ、苦味があまりありません。
初心者やビールが苦手な人におすすめのスタイルです。

ラガーでもエールでもない!その他の酵母方法とは?

最後に紹介するのは、上面酵母でも下面酵母でもない、その他の方法を使って作られたビール。
一体どんなビールなのでしょうか。

空気中の野生の酵母で作られる!?「ランビック」

その他の酵母で作られたスタイルとして有名なのが、ランビック

空気中に野生の酵母が漂っているというベルギーのブリュッセル近郊でしか作れないビールで、空気中の酵母を用いて自然発酵をしています。そのままでは酸味が強く、お酢のような味わいになるので、フルーツと組み合わせるのが一般的。

おすすめは上の画像のビール(左からシャポー・バナナ、シャポー・レモン、リンデマン・カシス、リンデマン・フランボワーズ、リンデマン・アップル、リンデマン・ペシェリーゼ)。

フルーツを樽の中に入れ、自然に溶けるまで何年もかけて作るので、フルーツ本来の甘みや香りを贅沢に楽しむことができます。アルコール度数も2.5%〜とかなり低く、ビールの苦味も全くないので、ビールが苦手という人でもカクテル感覚で飲めるでしょう。

ビールのスタイルを知り、違いが分かる男になろう!

作り方や原料によって、様々な種類に分かれるビールのスタイル。
銘柄にはスタイルの名前が入っていることが多いので、初めて見る銘柄のビールがあっても

「スタウトということは黒ビールで…」
「IPAってことはホップの苦味が効いているのか…」

と、スタイルから何となく味や色を予想することができます。

また、暑い日にのどごしを楽しむのはラガー、食事中や食後にご飯やデザートと一緒にゆっくり楽しむのはエールなど、その時のシーンによってスタイルを変えてみるのも良いでしょう。

ビールのスタイルについて知識をつけることで、ビールの楽しみ方を広げてみてはいかがでしょうか。

取材協力:CATARATAS(カタラタス)
営業時間:17:00〜25:00(ラストオーダーは24:00)
定休日:日曜日
チャージ料金:なし
アクセス:東京都渋谷区桜丘町 16-14 ドルチェ渋谷B2F(JR渋谷駅西口より徒歩2分)