【軟毛にあうワックスは?薄毛になりやすい?】床屋さんに、軟毛男子の悩みを全て聞いてきた

軟毛…ワックスつけてもすぐフニャフニャ…午後にはもうセットの意味無し。
軟毛…頭頂部を見られると、「お前、髪薄くね…?」と言われちゃう。

軟毛の皆さんこんにちは。浜松一郎です。
僕もこの数十年、前述のような「軟毛あるある」に悩まされてきました。雑誌に載っている髪型にしてもらおうとしても、仕上がりは「あれ?なんか違うな…」と思うことばかり。

とはいえ、誰にも相談できないので悶々としながら付き合ってきた自分の髪たち。

そこで今回は、軟毛の悩みを月400人の男性をカットをする理容師、霜鳥大志さんにぶつけて参りました。こういう悩みは、男性専門の理容師(床屋)さんに限る!


霜鳥大志。浜松町にある「THE TRADITIONAL」オーナー。
月間400名以上のメンズヘアスタイルを手がけ、骨格に合わせたカット技術に定評があるメンズカットのスペシャリスト。薄毛対策などの知識も豊富。顔型に合わせたヘアスタイルにも詳しい。

雑誌に載ってるのにはなかなかできないから…軟毛にオススメの髪型は?

― まずお聞きしたいのが、「軟毛に合う髪型はあるのか?」問題です。理想と現実のギャップを感じてしまうことが多々あるのですが…。

霜鳥:「まずお伝えしたいのが、『軟毛の方は硬毛の方と違い、ブローでの形作りが容易』だということです。そのため、比較的対応出来るバリエーションは多いんですよ。ただ、髪の毛のボリュームが出しづらかったり、セットしても時間が経つとトップがつぶれてきたりしやすいので、ブローでしっかりと根元を起こしてあげる事が重要です

― 整髪料の付け方ではなく、まず大事なのは形づくりからなんですね…!

霜鳥:「そうですね。また軟毛の中でも髪同士が絡みやすい細毛の方もいらっしゃいますが、その場合は全体的に短めにした方が、扱いやすくなります。あまり向いてないスタイルとしては、スパイキーなベリーショートスタイル等、ジェルのような整髪料でツンツン立たせるスタイルは向いてないですね」

― やっぱりそうですよね。スケスケになっちゃいますからね。

霜鳥「なお、今流行っている下から上に行くにつれて段々と濃く刈り込んでいくスタイル、『フェード』は可能です。同じミリ数のバリカンを使用した場合、硬毛の方より軟毛の方のほうが地肌は見えやすくはなりますが、そこを気をつけてお客様と話し合いながらミリ数を決めて行けば問題ないです。デザインにもよりますが、ハチのライン周辺の処理が重要で、硬毛の場合、立ち上がった毛髪をおさえるのが大変なので、短く切ってシルエットを作る事が多いのですが、軟毛はある程度の長さがあれば後ろに流したり、おさえたりしやすい髪質なので、ハチのライン周辺の処理方法も色々使い分けられます」

― 軟毛のメリットもあるんですねぇ。。

軟毛だとパーマとかかかりにくくない?カラーも思った通りにならなくない?

― 僕はよくパーマをかけるのですが、たいていすぐ落ちてかけなおしに行くんですが…。

霜鳥:「軟毛か硬毛かの違いは、大きく分けて、毛髪表面のキューティクルの枚数が多いか少ないか、毛髪内部のタンパク質量が多いか少ないかで決まります。キューティクルの枚数が少ないだけの軟毛ですと、そこまでパーマがかかりにくいという事はないのですが、タンパク質量が少ない軟毛はパーマがかかりにくいです」

― そうなんですか。ということは、僕はタンパク質が足りないのか…。

霜鳥:「そういうことですね。パーマはシスチンというタンパク質の結合を切断し、ロッドに巻きつけた状況で再結合させて髪を曲げているのですが、タンパク質の量が少ない軟毛は、パーマ液が作用する部分が少ないためかかりづらくなります。とはいえ全くかからない訳ではないので、そこは美容師さんの腕と最初のカウンセリング時にきちんと伝えておくことが大事です」

※パーマについては霜鳥さんに聞いたこちらの記事に詳しく書いてあります!

― カラーが思った色にならないのも同じ理由ですか?

霜鳥:「カラーリングに影響する髪質の要素は少し違い、キューティクルの枚数、メラニン色素です。カラーリングは大きく分けて3つのプロセスからなっており、
1、アルカリでキューティクルを開き、薬剤を浸透させる
2、メラニン色素を破壊し、発色した色が見えるようにする
3、酸化させて色素を大きくし、発色させると同時にキューティクルの外に出られなくする
という原理で髪を染めています」

― かなり専門的ですがつまりは…

霜鳥:「難しい説明を抜かすと、軟毛の方は明るくなりやすいです。地毛の色が真っ黒ではない方はさらに明るくなりやすく、思った以上にハイトーンになりやすい傾向にあり、染めた後も色が退色しやすい可能性があります。なので、しっかり見極めて色を選択しなければいけないんです」

― これもまた、スタイリストの腕にかかっていますね。

軟毛におすすめのスタイリング剤は!?シャンプーは!?

― 少し悲しくなってきましたが、気を取り直して、軟毛にオススメのスタイリング剤ってなんでしょうか?

霜鳥:「軟毛の方はすぐに髪が寝てしまうので、しっかりとブローで髪の根元を立ち上げてボリュームを出した上で、ハードなタイプのワックスをつけてあげるのがオススメです。キープ力が不安な方はハードスプレーをつけてあげるとしっかり一日キープしてくれます」

― ハードワックスですね。メモメモ。

色々なワックスがあるが、アリミノ・ピースワックスがオススメだそう。僕も使ってみたがバッチリキープできた

霜鳥:「ただ、軟毛の方はダメージも受けやすいので、ダメージがあったり細くて髪同士が絡みやすい方はハードワックスやハードスプレーはオススメ出来ません。その場合は、ヘアスタイルを短めにして柔らかいワックスをつかったり、何もつけなくても全体のバランスが取れるようにカットしたりするのが理想です」

― スタイリストさんの腕にもよるんですな。ジェルとかはどうなんでしょうか?

霜鳥:「髪型にもよりますが、ハードジェルは細かい束が出来るので、軟毛の方は地肌が透けやすく、オススメしません」

― くそー!!とりあえずハードワックス使っておこう…。では、軟毛におすすめのシャンプーなどはありますか?

霜鳥:「シャンプーですと、ノンシリコンの物や、髪に残っているコーティングを落としてくれるようなシャンプーがオススメです表面をコーティングするようなトリートメントは使用しない方が良いですね。ただし、前述した通り軟毛はダメージをうけやすかったり、すごく髪同士が絡みやすい方もいらっしゃるので、その場合はトリートメントをする事で扱いやすくなります」

― なるほど。紫外線などでダメージ受けそうな日や屋外で活動する日はトリートメントを使い、屋内のときはシャンプーオンリーでいいっていう感じですね。

霜鳥:「そもそも、基本的には髪が寝やすい=重力に反発出来ないという事なので、重ければ重いほど髪がペタンとなりやすく、軽ければ軽いほどふんわりさせやすいです。つまり、髪の毛の表面自体にコーティング等をなるべくしないで軽い状態に保つとセットの時にボリュームが出しやすいということですね!

軟毛はハゲやすいのか…?数万人の髪を見てきた理容師の意見は…?

― さっ、最後に聞きたいことがあります。ズバリ、軟毛の人ってハゲやすいんでしょうか…?

霜鳥:「結論からいうと、軟毛の人が薄毛になりやすいという事はありません。男性の薄毛の多くはAGAと言われる、男性型脱毛症ですが、その原因はジヒドロテストロンとアンドロゲンレセプターの感受性による部分なので、軟毛が硬毛かは関係ないんですよ」

※もっと詳しく知りたい方は、gskさんのサイトがわかりやすいです!

― それは良かったぁぁー!!

霜鳥:「ただ、軟毛の方のほうが髪がペタンとなりやすく、ボリュームが出しづらいのと、濡れた時に地肌が見えやすくなるので、気になりやすいというのはあるかもしれません。ですが、硬毛の方は硬毛の方で、短くすると髪が頭皮に対して頂上に立ってしまうので、地肌が見えやすくなったりして、薄くなったと気にする方も多いんですよ」

― なんか最後の最後に救われた気がしました。ありがとうございます。

超番外編:2019〜2020に流行っている(流行りそうな)髪型を聞いてみた

霜鳥:「マッシュベースの束感を出すスタイルもまだまだ流行っていますが、少し襟足を長めにしたウルフスタイルが多くなっています。90年代後半に流行ったウルフは、トップを立つくらい短くしていましたが、今はマッシュベースから移行して、上は立つほど短くしすぎず、襟足もそこまで長くしすぎないウルフスタイルが主流です。
ただ、中には60年代後半から70年代前半に流行したような、前髪を短く、全体的に重く襟足を長くしたウルフスタイルにビッグシルエットのファッションを合わせてる様な人も見かけます」

― ふむふむ。ちなみに、はやりのウルフスタイルは軟毛男子にも大丈夫ですか?

霜鳥:「はい!ウルフは軟毛の方にも似合うし、セットもハードワックスで比較的簡単にできるのでバッチリです!」

― よし!流行りに乗れる!!勇気がでました!

霜鳥さんのお店
THE TRADITIONAL
東京都港区芝大門2-12-3
平日
13:00~22:30(最終受付)
土日祝
10:00~19:00(最終受付)

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