【妊娠中の食べ物は?アルコールは?】女性が妊娠したときに、オトコが知っておくべき7つのこと・前編

妊娠。それは、幸せなことでありつつも、夫婦にとっては二人で超えなければいけない大きな試練でもあります。

しかし、女性が最も辛いことは言わずもがな。その際に、どれだけ相手の気持ちになって親身になってあげられるかが、オトコの腕の見せどころでしょう。
とはいえ、オトコにとって妊娠は経験できないもの。

というわけで今回もSTANDではおなじみのアマナ性供育協会理事・助産師の池本千有さんに、妊娠中の女性に起こること。そして、オトコの心構えをお聞きしました。
※かなり深い意見だらけだったため、前編・後編に別れています。

後編はこちら!


池本千有/日本アマナ性共育協会代表理事/助産師
1997年助産師となり、2003年助産院「のあのあ」開業。
2012年3児の母としての子育てエピソード、15年に及ぶセックスレス解消体験を踏まえ、性教育講演会を開始、今までにない具体的で分かりやすい内容が多くの女性に支持される。
2015年、大人の女性のための実践型性共育アマナレッスンを考案、述べ400名以上が受講する人気講座となる。
2017年4月、日本アマナ性共育協会を設立し、実践型性共育を含む真の性共育者の養成に力を注ぐとともに、女性性を開花する生き方そのものがビジネスになるライフスタイルをコンサルティングし、卒業生が全国にて性共育講座を展開している。講座情報は協会HPより。URL:http://jaei.jp/

今こそ、妊娠中の女性への理解を深めるぞ!

①食べものにはあまり神経質にならず、とにかく食べたいもの・食べられるものを

― 妊娠中の女性は「酸っぱいものが食べたい」などのようなマイブームがくると聞いたことがあるのですが…。その際に、それが体に悪そうなものでも食べていいものなのでしょうか?

池本さん:「妊娠すると、つわりの症状が出て、口腔内の違和感が常につきまとい、何だかすっきりしない気分が続きます。個人差はありますが、吐き気をもよおしたり、匂いに敏感になり、あまり食べられない状態になる人もいますね。そのため、食べ物の好みがはっきりと分かれ、食べられるものと食べられないものが出てくることが多いです

― 食べたいものということではなく、食べられないものが出てきてしまうと。

池本さん:「逆に食べつわりといって、常に何かを食べていないと気分が悪くなるという人もいます。一般的に酸っぱいものが食べたくなるとよく言われますが、必ずしもそうとは限らず個人差が大きいようですね」

― 添加物とか入っている、いわゆる体に悪そうなものは極力避けたほうがいいんですかね?

池本さん:「そうですね。妊娠中にかかわらず、添加物などの入ったジャンクフードはできるだけ避けたいものですが、口腔内違和感のために食べたとしてもそんなに多くは食べられません。なので、あまり神経質にならず、とにかく食べたいもの、食べられるものを優先して食べるのが一番だと思います。なお、つわりの症状は、胎盤が完成して妊娠が安定してくる妊娠中期(16週)ぐらいになると多くの方が落ち着いてきます。つわりが落ち着いてきたら、少しずつ体に良いものをバランスよく食べるよう心がけましょう

― 妊娠中の体にいい食べ物というのは、どのようなものがあるんですか?

池本さん:「妊娠中に不足しがちな栄養素としては、鉄、カルシウムがあります。鉄は、貝類、レバー、豆類、ナッツ類、海藻類。カルシウムは、乳製品、魚介類、大豆製品、ナッツ類、海藻類から摂取できますよ。これらを意識的に、食卓に1~2品取り入れてみられると良いでしょう。そして、妊娠後期の体重の増えやすい時期は、お米は控えめにして、おかず中心に食べていくと、栄養不足を避けながら体重コントロールができます。大きくなった子宮で胃が圧迫され、一度に量が食べれなくなることもありますので、分食で対応するといいですね」

― 摂っておいたほうが良いサプリメントなどはあるのでしょうか?

池本さん:「よく、妊娠初期には葉酸のサプリを飲むと良いといいますね。これは、葉酸が胎児の神経管閉鎖障害の発症リスクを低減することから勧められているものです。
しかし、この神経管は受胎後28日頃には胎内ですでに形成されているので、実は葉酸のサプリは妊娠1ヶ月前から妊娠初期3ヶ月ぐらいの間に摂取していないとあまり意味がないといわれています

― 計画的に摂っておく必要があると。

池本さん:「はい。妊娠を考えた時から、計画的に葉酸を摂っておくとよいですね。サプリでなくても、緑色の野菜、アスパラガス、ブロッコリー、枝豆、レバーなどに多く含まれます。ただ、これらはあくまで目安なので、好きでもないのに無理して食べるというのは本末転倒です。基本は一汁二菜で、多くの食材を取りながら楽しく食べましょう!

②カフェインは少しなら、アルコールは絶対に避けるべし

― カフェインはやはり取ってはいけないんですよね?

池本さん:「コーヒーや緑茶、紅茶類などのカフェインの入ったものも、イライラ、不眠、胎児の発育不良の原因となると言われています。といっても、神経質になりすぎることはなく、一日1~2杯程度なら気分転換に飲んでも大丈夫です。お茶はほうじ茶やルイボスティーに変えたり、カフェインレスのものも多くありますので、上手に取り入れてみてください」

― お酒好きな女性は、アルコールはダメですよね…?

池本さん:「アルコールについては、胎児性アルコール症候群による胎児の形態異常や発育不全が心配されるところです。ビール350ml程度の飲酒だとリスクはないという検証結果も出てはいますが、このぐらいまでは大丈夫という保証のあるものではないんです。胎児に悪影響を及ぼす可能性がある以上、避けておいて後悔はしないものだと思います

― なるほど。

池本さん:「つわりというのは、胎児に悪影響のある食べ物を避けるために体が引き起こしてくれている反応であるがゆえに、自分自身の食の見直しをする機会かもなと思うと、ありがたくも感じるものなんです」

― 自分ひとりの体だと思うと、好きなものを好きなだけ食べれてしまいますからね。これは、男性にとってもいい機会かもしれませんね…!!

③妊娠初期は「二日酔いが数ヶ月続いている状態と同じ」。とにかく、眠れるときに寝かせてあげる

― お次は睡眠についてなんですが…!妊娠中の女性は普段と比べて、寝すぎてしまうなどの変化はあるものなんですか?

池本さん:「妊娠初期にはプロゲステロンというホルモンが増加します。このホルモンは、生理前のイライラ期にも増加するもので、ニキビや肌荒れを起こしたり、むくみ、だるさ、いらいら、憂鬱などを引き起こします。眠さもこのプロゲステロンの働きの特徴的なもので、つわりの症状の一つと言われています

― 眠さもつわりの症状のひとつだったとは。

池本さん:「眠っていると気分の悪さからも開放されるので、横になれるときにはできるだけゆっくりと休むとよいですね。この時期にうっかり寝てばかりいることを責めたりしたら、後々まで恨まれることになりますのでご注意を。二日酔いの状態が数ヶ月続いていると考えていただければ、男性にも少しは理解できるのでしょうか」

― 絶対に責めないようにします。。二日酔いに例えると非常にわかりやすかったので…!!

池本さん:「また、妊娠後期に入ると、胎児の成長により膀胱が圧迫され夜間も何度も起きるような頻尿になり、横隔膜が圧迫されて肋骨の下部に痛みが走ったり、息苦しく横になれない状態になったりすることもあります。はたまた、胎動により不意にお腹を激しくキックされたり、お腹が張って苦しくて目が覚めたり…」

― 全然寝れないじゃないですか…。

池本さん:「更には、大きなお腹で圧迫された足は常にむくみやすくなりだるさがあり、足がつりやすくなり夜中に飛び起きることもあります。お腹の重みで腰は痛いし、どの体勢になっても寝苦しく、とにかくぐっすり睡眠できる状態ではなくなります。この状態は、出産後の3時間毎の授乳に備えて、自然と短時間睡眠のサイクルに体を適応させているからとも言われているんです

― そうなんですね…!そう考えると…

池本さん:「そう考えると、ありがたいような…なんてポジティブな考えが通用するほど甘いものではありません。しかもこの睡眠不足状態は、少なくとも産後1年以上も続くのです。本当に大変なんです。えぇ、大変以外の何者でもありません

― なんか、僕は何もわかっていなかったのだなと…感じております…!!

池本さん:「大事な赤ちゃんを守り育てているというプレッシャーも含め、妊娠中そして産後の体と心のダメージは男性が考えている以上に深刻なものなのです。だからこそ、お昼寝は必須のものと考え、できるだけゆっくり眠れる環境を整えてあげてください」

― 絶対に整えます。

妊娠中の女性はプレッシャーとも闘っている。理解せよ、オトコたち!

今回の前編では、食事と睡眠についてお話をお聞きしました。このふたつだけでも、男性にとっては知らないことばかり…。妊娠中は、身体的にもかなり負荷がかかると同時に、精神的にもかなる負担がかかる時期ということです。後編では、この精神的な面や直接的に変化する身体的な面を深掘りしていきます。

それにしても、こんな状況を知らずに過ごしてしまうのは絶対に良くないですね…。これからパパになるオトコたちに届きますように…!!

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