6000kcal食べて痩せる?「チートデイ」のやり方を専門家に聞いてみた。

「カロリー計算ダイエットを始めて、3ヶ月ほどは順調に体脂肪が減っていたのに、急にぴたりと体重計の針が止まった…」

これこそ、いわゆるダイエットの停滞期。この停滞期を脱出するために、今回ご紹介するのが「チートデイ」です。
チートは英語で「騙す」という意味で、「ダイエット中に沢山食べる日をつくり身体を騙して、痩せる」という方法。
とはいえ、やり方をひとつ間違えてしまうとリバウンドになってしまいます。

というわけで、正しいチートのやり方をパーソナルトレーナー兼プロ格闘家の井上雄策さんにお聞きしました!


井上雄策
1988年12月30日生
プロ総合格闘家
日本体育施設協会認定トレーニング指導士
日本ウェルネススポーツ専門学校専攻科卒業後フィットネスクラブにて勤務をしつつ、パーソナルトレーナー、格闘家として活動。
パンクラス ライト級2位
2010年 修斗ミドル級新人王
格闘技戦績は15戦13勝2敗。
Twitter:

※井上さんに聞いた正しいダイエットの方法はこちら「脱!ビール腹」いい体になる食生活と筋トレ法を、プロ格闘家兼トレーナーに聞いてみた

なんでカロリー制限してるのに停滞しちゃうの!?答えは人類の歴史にあった

− 普通にカロリー制限していたら常に痩せていくはず…だと思うのですが、なぜ急に体重が停滞してしまうのでしょうか?

井上:「その理由はホメオスタシス(恒常性)によるものですね。ホメオタシスとは、『生物および鉱物において、その内部環境を一定の状態に保ちつづけようとする傾向のこと』で、これは、人類に生まれながらにして備わっているものです。例えば、『暑ければ汗をかいて体温を下げよう』としたり、『寒い日にプールに入るとタマタマが小さくなって身体の中に隠れよう』とする男子にはお馴染みの、あの現象もホメオスタシスといえます」

− 水風呂入って出てくると、急に小さくなってしまっている、あの現象ですね。それがなぜダイエットで起こるんですか?

井上:「それは、今まで私達の生きてきた環境によるものだと思います。現代の豊食期からは想像しがたいですが、人類の歴史は常に飢えとの戦いでした。いつ手に入り、いつ無くなるかかわからない食料。いかに限られたエネルギーを効率よく蓄えることができるか。それこそが、長い歴史でみれば、つい最近までの人類の大きな課題だったからなんでしょう」

− なるほど。つまり、ダイエットを続けていると、身体が危機を感じて脂肪が落ちるのを防ごうとするんですか?

井上:「まさにそうです。糖が身体から枯渇し、著しく体脂肪が減ると人は生きるために身体を省エネに切り替えます。長期間に渡り食事の制限をしたことによって、人のDNAは遥か昔の飢餓の記憶を思い出しホメオスタシスが働いてくる。これこそが、身体に備わった防衛本能であり、ダイエットの停滞期なんです!

停滞期を抜け出す方法とは?

− 人間のDNAに刻み込まれている防衛本能…。それって打破することって無理なんじゃないですか!?

井上:「ここでチートデイです。飢餓に陥っていると錯覚している身体に、大量のエネルギー(食事)を投入し、『自分は栄養不足ではない』と思わせるのです!」

− ここでチートか!なるほど!

井上:「つまり、こういうことです。エネルギーが枯渇した状態が続くと、身体が飢餓に陥っていると錯覚し、脂肪の燃焼をストップしてしまいます。そこで、大量のエネルギーを投入し『栄養不足ではない』と思わせる。そうすると、身体は『痩せていいんだ』と安心して、脂肪燃焼を再開するんです

− これはわかりやすい原理ですね。

井上:「他にもチートがいい理由として、栄養不足が続くと代謝が低下し、「痩せにくい身体」になります。しかし、大量に食事を摂取することで代謝を促進することが期待できるんです。例えるなら、火が弱くなってしまっている所に大量の薪をくべることで、火の勢いを大きくするって感じですね

− めっちゃいい例えですね。とはいえ、もうめちゃくちゃに食べていいてわけではないですよね?正しいやり方ってあるんですか?

井上:「正しいやり方はこんな感じですね!」

・基本的には糖質を中心にバランス良く食べる。
・自身の基礎代謝の3倍のカロリーを目安に摂取する。
・基本的には、ご飯、ぱん、麺類、などの糖質を中心に好きなものを食べる。

井上:「なお、チートを入れるのは、必ず1日だけです!2日連続チートはダイエット放棄ということになるのでダメですよ!また下記がチートを入れる頻度の目安です」

・体脂肪20%以下:2週間に1回
・体脂肪15%以下:10日に1回
・体脂肪10%以下:7日に1回
・体脂肪7%以下 :3~4日に1回
(女性の場合は+5%程度で考えて下さい。)

- なるほど。このようにチートすれば停滞期を抜け出せるのか…!DNAを騙すには、戦略的にやらないとダメなんですね…!

実際の食事メニューを聞いてみた


実際に井上さんがチートデイを実施した時の体重の推移

− 実際に井上さんはどのようなメニューでチートをやっているんですか?

井上:「僕の場合は基礎代謝が2000kcalほどなので約6000kcalの食事が摂れる計算になります。ダイエット中の食事とチートデイの食事の違いを比べてみましょう」

ダイエット中の食事内容
・米225g(生米の状態で)・800kcal
・鳥の胸肉(皮なし)700g・750kcal
・ナッツ類60g・350kcal、
・ブロッコリー中心の野菜300g・100kcal。
合計2000kcal

井上:「そして、こちらがチートデイを行った日の食事メニューです。全然違いますね」

・ステーキ300g ご飯大盛り
・ローストビーフ丼
・ケーキ3個(ショートケーキ、モンブラン、チョコレートケーキ)
・おはぎ2個
・つけ麺500g
・プリン
・ロールケーキ
・シュークリームetc…

− 全然違う!!!ダイエット中の我慢を全て解放したような食事内容ですね。

井上:「しかしチートを入れられるのは限られた人だけです。チートをいれなくてもいい人は『ダイエットを始めて1ヶ月未満』、『1ヶ月間の内、摂取カロリーが消費カロリーを上回ってる日がある』、『体重の減少が停滞していない』、『ダイエット開始から5%以上、体脂肪が減っていない』、『男性で体脂肪率が20%以上、女性で体脂肪率が30%』に該当する人ですね!」

− なるほど。努力してダイエットをし、停滞期を迎えてしまった人以外がやってもただの暴食になってしまいますからね…!!気をつけよう…。ちなみに、井上さんはチートデイをやった結果どうなったんですか?実際に効果ありましたか?

井上:「基本的には、多く食事を摂った分、一時的に体重は増えますが、その後、徐々に体重が減少していきます。僕の場合はチートを入れた2日後から体重の減少がまた始まりましたね。また、食事を多く摂ったことで質の良いトレーニングを行うことができましたよ!」

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− 今回もとても勉強になりました。

井上:「最後に一言!成功すれば、停滞期を抜け出す最高の方法であるチートデイですが、良い結果が出ない人もいるので、覚悟を持って行なってください。しかし僕の経験上、かなりストイックに食事制限を行なっていれば10日に一回程度なら好きなものをお腹いっぱい食べても、太ることはないように感じますね」

− 本日はありがとうございました!

とはいえ、ダイエットで一番気をつけなければならない事は、ダイエットを投げ出す事。時々の「チートデイ」が、明日からまたダイエットとトレーニングを継続するモチベーションになるのであれば、精神的な活力として非常にプラスになります。
ぜひ、今回の記事を参考にして正しいチートデイとダイエットをしてみて下さい!